パイロット・C2PA審査中 · 韓国2027.03 · 日本2027.06 · 模範法は韓国法
著作権 C-2026-036487 · 特許出願 10-2026-0100026(未登録)
コースの目次
全10章のうち第5章
第5章信頼は、鎖のようにつながっています
署名があっても、その署名者を信じてよいかは、また別の問いです。この章では、上位の機関 → 発行する機関 → 個別の証明書とつながる信頼の鎖と、証明書の失効の照会を学びます。第1〜4章の復習も一緒にします。
この章で学ぶこと
- 信頼の鎖の、3つの輪を知ります。
- 証明書が失効する場合と、失効したかどうかを照会する方法を知ります。
- 「署名が有効」と「信頼済み」は、別の意味だと知ります。
やさしく理解する
会社の社員証と同じです
本社が支店を認め、支店が社員に社員証を渡します。社員証が怪しければ支店を、支店が怪しければ本社を確かめます。社員が辞めたら、社員証を回収して、入館の名簿から消します。証明書も同じように上へつながり、問題が起きたら失効させます。
証明書は、「この公開鍵の持ち主は、だれそれです」と書いた証明書類です。発行する機関(CA)が、この証明書に署名します。
発行する機関も、さらに上の上位の機関(ルート CA)に認められています。こうして、上位の機関 → 発行する機関 → 個別の証明書とつながる鎖ができます。
検証プログラムは、鎖を一番上までたどって、あらかじめ「信じると決めたリスト(Trust List)」にある上位の機関に届くかを確かめます。届けば「信頼済み」、届かなければ「信頼されていません」です。
そのため、署名が数学的に正しくても(署名が有効)、上位の機関がリストになければ「信頼されていません」と出ることがあります。このサイトのパイロット認証局は、今その状態です。
秘密鍵をなくしたり、間違って発行したりしたら、証明書を失効(revocation)させます。失効した証明書のリストを CRL といい、証明書1枚の状態をすぐに問い合わせる窓口を OCSP といいます。
証明書には有効期間もあります。期間が過ぎた証明書でした署名は、検証プログラムによっては問題として表示されます。第8章で、こうした例を実際に見ます。
図で見る
- 上位の機関ルート CA
- 発行する機関中間 CA
- 個別の証明書署名者
- 署名されたファイルマニフェスト
実際にやってみる
上から順に、1ステップずつ進めます。ステップごとに、「こう見えれば成功」と同じかどうかを確かめます。
- 「信頼・準拠」のまとまりにある公開リポジトリのページを開いて、証明書の失効リスト(CRL)のリンクと、OCSP の案内を探します。こう見えれば成功 CRL のアドレス(/api/ca/v1/crl)と、OCSP の説明が見えます。公開リポジトリを開くログイン不要
- CRL のファイルをダウンロードします。人が読む文章ではなく、プログラムが読むファイルだということだけ確かめます。こう見えれば成功 ファイルがダウンロードされ、開くと読みにくい記号が見えます。これで正常です。CRLをダウンロードするログイン不要
- 開発者ページで、OCSP の照会窓口(GET /api/ca/v1/ocsp/{hex})の説明を探します。証明書のシリアル番号を16進数で入れると、状態を教えてくれる窓口です。こう見えれば成功 OCSP の窓口のアドレスと、使い方が書かれています。開発者ページを開くログイン不要
- メンターと一緒に、実際の証明書1枚の状態を OCSP で照会してみます。こう見えれば成功 正常(good)、失効(revoked)、不明(unknown)のどれかが出ます。メンターと一緒に
メンターと一緒に行う部分 · PKI 担当のメンターが、このサイトの信頼の鎖がどうなっているか、なぜ今は Trust List に載っておらず、ほかの検証プログラムで「信頼されていません」と出るのかを説明します。
できたかどうか確かめる
下のすべてに「はい」と答えられたら、この章は修了です。
- 信頼の鎖の3つの輪を、上から言えますか。
- CRL と OCSP が、それぞれ何かを言えますか。
- 「署名が有効」と「信頼済み」が、なぜ違うのかを説明できますか。
まちがえやすいこと
- よくある誤解署名が有効なら、信じてよい署名者です。実際には署名が有効とは、数学的に正しいという意味です。信じてよいかは、信頼の鎖が Trust List に届くかで、別に確かめます。
- よくある誤解一度発行された証明書は、ずっと有効です。実際には有効期間があり、問題が起きれば、期間の前でも失効することがあります。
確認クイズ
問題 1信頼の鎖の3つの輪を、上から言ってみましょう。答えを見る答えを閉じる
上位の機関(ルート CA)→ 発行する機関(中間 CA)→ 個別の証明書です。問題 2秘密鍵をなくした証明書は、どうすればよいですか。答えを見る答えを閉じる
失効させます。失効すると CRL に載り、OCSP で問い合わせると「失効」と出ます。問題 3このサイトの証明書で署名したファイルが、ほかの検証プログラムで「信頼されていません」と出ます。なぜでしょうか。答えを見る答えを閉じる
このサイトのパイロット認証局が、まだ C2PA Trust List に載っていないからです。署名そのものが間違っているという意味ではありません。
用語のまとめ
- 認証局CA · certificate authority
- 証明書を発行して、署名する機関です。
- ルート CAroot CA
- 信頼の鎖の一番上にある、上位の機関です。
- Trust List
- 検証プログラムが「信じると決めた」上位の機関のリストです。
- CRLcertificate revocation list
- 失効した証明書を集めたリストです。
- OCSPonline certificate status protocol
- 証明書1枚の状態を、すぐに問い合わせる方法です。
実習記録シート
印刷して手で書くか、同じ項目を文書に書き写します。メンターの確認をもらえば完了です。
第5章 実習記録シート信頼は、鎖のようにつながっています
- 実習日
- 記入者
- メンター確認
- 信頼の鎖の図(3つの輪を自分で描いてみる)
- 公開リポジトリで見つけた CRL のアドレスと OCSP の案内
- メンターと一緒にした OCSP の照会結果
- 第1〜4章の復習で迷ったこと
- 「署名が有効」と「信頼済み」の違いを、自分の言葉で